乳がんを取り巻く環境は、大きく変化しています。
この数十年の大きな変化を書いていこうと思います。

  • 乳がん患者さんが増え続けている
  • 治療法が手術、薬物療法を含め大きく変化した
  • ①乳がんのここ20年で2倍に増えて、現在日本人女性の乳がん罹患率は1位です。12人に1人が罹患することになります。
    患者さんの年代層は、40~60歳代で著しいです。乳がんは、悪性新生物の中でも最も死亡率は低いのです。

    数年前には、ハリウッド女優のアンジョリーナさんが乳がん予防のために、乳房切除しました。これは、この乳がんに関連したBRCA-1,2という遺伝子の異常があり、遺伝性乳がん、卵巣がん症候群(HBOC)と診断されたからです。

    この乳がん遺伝子は、乳がんの患者さんのうち5%しか異常遺伝子が見つかりません。予防切除も標準治療ではないものの最近では、乳がん遺伝子に異常が見つかれば、強い推奨ではないものの予防的に乳房切除した方がよいかもしれないと指摘されたいます。☞乳がん予防のための乳房切除

    ②乳がん患者さんが増えてきたために、治療法も激変しています。
    乳がん手術治療
    乳房、胸筋、リンパ節を徹底的に切除する方法(ハルステッド法)から、筋肉うぃ残して、乳房を全摘出するようになったこと。さらに、乳房を部分的に切除する「乳房温存手術」が中心になってきています。

    2013年には、人工乳房の保険適応が拡大されました。現在では、乳房再建手術も増加傾向にあります。このように、乳がん患者さんにとっては、手術方法の選択が増えて、そのひとに合った方法、状況に合わせた術式選択が行われています。

    リンパ節の切除については、センチネルリンパ節生検という方法が導入されました。これは、診断時に脇のリンパ節に転移がなければ、数個のリンパ節を調べて、転移の有無を確認します。その後に追加して取るかどうか最初から決めないでおこなうので、患者さんの負担が減ってきています。

    薬物治療
    薬物治療も大きな変化があります。主な薬物は、抗がん剤ですが、大きく3つに分けられます。①女性ホルモン感受性乳がんに対する内分泌治療、これは、エストロゲンを抑える治療です。②化学療法③分子標的療法があります。

    これらの治療は、ここ数年でも大きな進歩を遂げており、さらなる治療成績の向上に期待されます。