乳がん後の乳房再建手術で扱う豊胸シリコンバッグ(乳房インプラント)が血液がんである悪性リンパ腫を発症する可能性があるとして、製造メーカーが7月下旬から自主回収を始めていました。

乳房再建とは?が入ります。

乳がん手術後に乳房全摘出した場合に、本来の乳房のふくらみを戻すために行う手術です。通常、美容整形で使われるタイプの豊胸バッグを使う場合、平らになった状態では豊胸バッグを入れることができないため、まず最初に大胸胸の下にエキスパンダー(拡張器)を入れて約半年間、生理食塩水をバッグ内に入れ、少しづつ乳房を膨らませて皮膚や筋肉を伸ばして、豊胸シリコンバッグに入れ替えます。その他に、自分の背中の筋肉や採取した皮下脂肪を移植する自家再建もあります。いずれも、乳がんの切除手術と同時もしくは後日に行ったりしますが、乳房以外にも大きな傷が残り、体への負担も大きいです。

これに伴い、 健康保険が適用されていた国内で唯一の豊胸バッグが回収されました。今回の問題なった回収された豊胸バッグは、アラガン社の製品です。今年7月に米食品医薬品局(FDA:日本の厚労省に当たる)の調査で、その豊胸バッグ挿入後に悪性リンパ腫を発症した人が世界で573人発症し、そのうち33人が死亡していたことが明らかになりました。特にアラガン社が製造する豊胸バッグに発症しやすいことから、FDAが自主回収を要請しました。

乳がん後の乳房再建時の豊胸シリコンバッグが健康保険適応乳房再建による豊胸バッグを使用することが健康保険で扱うことが2013年に適応され、以降年次増え、現在までに乳房再建手術を受けた人は3万人を上回っています。

現段階での世界各国における報告によると、豊胸バッグを入れた後に発症する悪性リンパ腫は、3300~3万人に1人の頻度で、平均10年経過時に発症することが多いとされています。

日本国内では、今年6月に初めて報告された症例によると、豊胸バッグ挿入後17年経過後に発症しています。現在、悪性リンパ腫の治療をしているようです。

回収された製品は、豊胸シリコンバッグ2種類と、バッグを入れる前に皮膚を伸ばすためのエクスパンダー(皮膚拡張期)の計3製品です。

そのため、国内では健康保険の対象となる代わりの豊胸シリコンバッグがなく、今現在、全国的に再建手術は中断され、患者さんに不安が広がっています。

今年9月には保険適応になる代替品が販売されるようですが、この代替品は旧式の製品で、昨年ほぼ流通しないまま販売中止になりました。

このバッグは、悪性リンパ腫のリスクは低いようですが、乳房の拘縮などのトラブルや合併症が増え、破損した場合には中身のシリコンが周囲に漏れ出しやすく、そのため乳房の形が不自然になりやすいといった問題があります。

従来の豊胸シリコンバッグより合併症が増えるなどの心配があります。また10年後に何かしらの問題が生じるなどの懸念もあり、安心して利用できる製品かどうか現段階ではわかっていません。

乳房再建後に現在問題となっている豊胸バッグを入れている人注意点

・悪性リンパ腫の場合は、急に乳房が大きく腫れることが多いので、放置しない

・急な腫れるなどといった気になる症状がない場合は、摘出の必要はない

・なにか気になる症状があれば速やかに受けた医療機関を受診する

・早期発見が大切で、乳房を毎日観察し、自己検診も必要

・発症は10年近く経過してからなので、毎年定期検診を受け続ける
発症はまれでも自分に起こらないとは言えません。
早期に発見できれば、豊胸バッグとその周囲の組織の切除で治せるので、定期的な検査が必要です!