遺伝性乳がんは、原発性乳がんのうち、少なくとも5~10%は遺伝性だと言われています。その主な原因遺伝子として、BRCA1/2の病的変異が報告されてきました。

日本においては、BRCA1/2の遺伝子検査が保険適応でないために、20~30万円のも個人負担になります。そのため、遺伝カウンセリングまで受けたとしても、その後の遺伝子検査を受けるひとは、実際には少なく、その実態は明らかではありません。

欧米の報告では、BRCA1陽性の62%が、女性ホルモンの感受性がなく、HER2の過剰発言もないトリプルネガティブ乳がんでした。

今後はさらなるデータの蓄積と、日本人においても遺伝子乳がんのリスクを予測するモデルを作成することが望まれます。

BRCA検査、MRI検査、卵巣や乳房のリスク低減切除術などが、保険適応でないことが、欧米に比べると診療水準が遅れてしまっています。

遺伝性乳がんの先進医療への道を早くに進め、日本においてもデータを集め、その効果が明確化されたものから保険適応になるかもしれません。