乳がん遺伝子検査の種類

遺伝子検査の対象となる患者さんについては、米国の乳がんガイドラインでは、転移・再発乳がんで単剤治療の対象となるHER2陰性乳がん患者は、全員がBRCA遺伝子異常の有無を調べる検査の対象となると記載されています。また、これらの患者に対する早期の遺伝子検査の実施は世界的にも推奨されています。

遺伝子検査に用いる「BRAC診断システム」については、が承認を取得し、国内でも保険適用されています。国内では同社以外の遺伝子検査を受けている人もいるようですが、乳がん治療をする際には、ミリアド社以外の遺伝子検査で陽性であっても、乳がん治療に使用するある治療薬には、再度、ミリアド社の遺伝子検査を受け直してもらうことが必要となります。

例えば、乳がん遺伝子陽性のひとに使われる新薬「オラパリブ」の適応には、米国ミリアド社の遺伝子検査をしていなければいけません。

乳がん遺伝子検査で陽性が出たら

この遺伝子検査で陽性と出てしまうと、本人はもちろんのこと、家族への心理的な葛藤や負担を抱える可能性があります。乳がん遺伝子は、子どもができて娘にも半分の確率で引き継がれます。

そのため、遺伝子検査で陽性なら家族の心理的ケアも必要になってきます。必要に応じて、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが行う遺伝カウンセリングが必要になるかもしれません。