乳がんの危険因子

乳がんになりやすいとされる危険因子は、女性ホルモンに関連性があると考えられています。たとえば、

  • 初潮年齢の始まった時期が早い
  • 初産の年齢
  • 閉経年齢
  • これらは女性ホルモンが生涯どれだけの期間暴露されていたかを示唆するものです。

    初潮が早ければ早いほど、長期に渡り女性ホルモンに暴露されて来たことになります。出産の経験がないと乳がんになりやすいと言われますが、一度出産を経験すると身体が一度リセットされるという報告もあります。

    その他に遺伝性、家族性の乳がんもその1つです。

    乳がんとホクロの関係

    今回は、乳がんと関連性があるのではないかという話題を紹介します。

    乳がんと良性皮膚疾患

    乳がんの原因の1つに皮膚の良性疾患に関連性があるのではないか?と、女性ホルモン濃度がホクロとの関連性は以前から注目されてきました。ホクロの数が多いと乳がんのリスクが上昇するというのです。

    妊娠中に、ホクロが大きくなったり、色が濃くなったりしたことを経験したことがあるかもしれません。
    これは妊娠中の女性ホルモンの血中濃度の増減変化に関係しているのではないかと考えられています。そして、ホクロの数で将来の乳がんのリスクを予測できるかが注目されています。

    ホクロの数は、悪性黒色腫(メラノーマ:皮膚がん)の強力な危険因子であることや、メラノーマと乳がんの関連性を示した報告もあります。また、ホクロは、子宮内膜症や平滑筋腫、甲状腺の病気などとも関係しています。

    75000人の女性を約24年追跡調査した研究報告によると、ホクロがない女性と比べると、ホクロがある女性ではホクロの数が増えるにつれて、乳がんの発症率が高くなる結果がでました。

    左腕、手首から肩までの直径3㎜以上のホクロの数をカウントして、評価しました。

    乳がんの発症リスクは、ホクロがない場合は8.84%、1~5個8.82%、6~14個9.75%、15個以上11.4%でした。

    女性ホルモン受容体・エストロゲン受容体(ER)に関連する乳がんに関してはER陽性のみで、ER陰性の乳がんではリスクの上昇はありませんでした。